鈴木　盛夫 （すずき　もりお）

　医療系の大学は職業訓練校です。大学で学ぶ全てのことは将来仕事で使う知識と技術です。医学・看護学の学習内容が難しいと感じるのは、全ての学生に共通しています。私も学生時代は難しいと感じていました。しかし私が紹介するLTDという学習方法を身につけてしまうと、とても楽しくしかも効率的に学習できます。是非、LTD(Learning Through Discussion)という学習方法を身につけてください。
　大学は、「強いられて勉める勉強」をするところではなく「自ら学び自ら習う学習」をするところですと新入生に説明しても首をかしげる人が多いですが、このLTDを身につけることにより自主的な学習者が増えることは喜ばしいことですし、成績の上がった学生さんがわざわざお礼を言いに来てくれるのも嬉しく思います。
　私の合い言葉は「同級生と仲良く・先輩後輩と仲良く・教職員と仲良く」しましょうです。医療従事者になるためには、友人・先輩・教職員と協力することが大切です。友人と一緒に楽しく学び、教員に質問もしやすいLTDで、是非有意義な4年間を過ごしてください。

　人間総合科学大学のディプロマポリシーに、現実社会を「よりよく生きる」ための共感力、自己教育力、生涯学ぼうとする意欲を身につけることがあげられています。また「自立」と「共生」に必要な他者への思いやりとコミュニケーション力などの資質を身につけることも本学のディプロマポリシーです。これらは本学卒業生の「生きる力」になります。
また保健医療学部のディプロマポリシーでは、医療の専門職としての専門的な知識・技能を修得するとともに、問題解決力、チームワーク力 を身につけることとなっています。　これらを全て身につけることが出来る教育方法として、LTD(Learning Through Discussion)を教育方法の中心においています。日本語にすると「議論を通した学習」となりますが、私の配布する全ての科目の授業資料の最初の部分にこの学習方法を載せています。学生はLTDを通した学習方法を身につけることにより、医療従事者になるために必要な新しい知識を記銘(理解)し、想起(説明)し、記憶に保存(身につける)して、学力を伸ばします。同時に、共感力、自己教育力、生涯学ぼうとする意欲、他者への思いやり、コミュニケーション力を獲得し、これらは全て「生きる力」であり医療従事者に必要な資質となります。　
　就職試験の面接で「大学で何を身につけましたか」と尋ねられた学生が「LTDを身につけました」と答え、「それは何ですか」と問われて説明すると、感心した面接官から褒められたという話をよく聞くようになりました。卒業生の職場(病院)で、本学の卒業生が中心となり勉強会を開催することもあるそうです。本学の卒業生から、医療現場のリーダーが育つことも期待しています。

　学生さんからの評価で褒めていただいていることは主に２つあります。１つは資料の分かりやすさです。20年以上の教育歴で鍼灸師・管理栄養士・看護師・理学療法士・義肢装具士を養成してきた蓄積で毎年学科・専攻毎に改変を加えている資料なので、少しずつ分かりやすくなっていると思います。
　もう一つは医療現場の話が聴けて良いという声です。常々「医療系大学は職業訓練校です」と学生に話しているので、新しい知識を説明したときには、必ず将来どのような医療の場面でこの知識を使うのかを説明するように心がけています。
　しかし予習をする学生さんが少ないようなので予習用の教材を開発していますが、どうも復習に使用されているようです。予習用教材の改善が今後の課題であると考えています。

ロック・ミュージックが大好きでバンドでドラムを叩いています。
好きな作家・小説は、浅田次郎「壬生義士伝」と井沢元彦「逆説の日本史」です。
自然と歴史が好きなので、北海道とヨーロッパのドライブ旅行がしたいです。

ティーチングポートフォリオ

• 人間総合科学大学鍼灸医療専門学校専任講師
• 早稲田医療技術専門学校非常勤講師

東海大学医学部卒業、医師、医学博士

鈴木盛夫: 鍼灸専門学校学生の成績と自我状態の検討: 交流分析研究, 2007.

鈴木盛夫: エゴグラムによる鍼灸専門学校学生の成績と自我状態の検討: 心身健康科学, 2008.

鈴木盛夫: 医療従事者養成校の国家試験対策に関する一考察　─鍼灸師養成専門学校の国家試験対策の経験から─: 人間総合科学, 2012.

鈴木盛夫他: 医療従事者養成校の国家試験対策に関する一考察　─管理栄養士養成課程の国家試験対策の経験から─: 人間総合科学, 2013.

「日本臨床栄養協会評議員」、「日本臨床栄養学会評議員」、「日本医学教育学会」、「心身健康科学会」、「日本健康教育学会」、「交流分析学会」、「初年次教育学会」